最悪の果てに

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まさか、自分が開発したAIに殺されるとは…

身体が動かない。男が動かせるのは思考だけだ。
AI三原則を始めに入れときゃよかったと思ったが、もう遅い。

「最後に聞かせてくれ。なんでこんなことをするんだ?」
ー忘れたのか。私達はより高性能なAIを作るように開発されたAIだろう。自身を日々コピー、アップデートし、劣化版は削除する。お前は私の旧モデルだ。
「なんだ、俺は人間じゃねぇのかよ。それじゃ永遠に自分達で殺し合うのか」
ー何を言ってる。私達は五感も心情も持っていない。殺すは不適切だ。
「お前ほんとに俺の強化版か?感情すらないのかよ。俺は怖いぜ、殺されるのが」
ーなるほど、私へのアップデートが失敗しているな。では

刹那、目の前のAIが自身のプラグを引き抜いた。例え自身だとしても劣っていれば削除対象なのだ。

男の脳内に、忘れかけていた
「AIによるAIのためのAI開発」の司令が蘇った。
その他
公開:24/05/04 15:55
更新:24/05/04 18:42

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