兎の働き方改革

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昔々のお話。その頃の月は夜空を一年じゅう照らし、月の兎達は休みもなく毎日お餅を作っていました。あるとき、かぐや姫が言いました。「地球にも兎がいたわ」と。

月の兎が地球へきてみて驚きました。地球の兎は働いていません。「君たちはどうして働かないの?」と月兎。「人間が働いて食事をくれるから」地球兎は当然という顔つきです。
それでは、誰が地球のお餅を製造しているのだろう。月兎は首を傾げます。
地球のお餅の裏側をみると【X年5月(つき)製造】と印字があります。月兎は、地球のお餅のために労働させられていたのです。そして、人間が地球から月を眺めて月兎を監督していました。月兎は憤慨します。同じ兎なのに不平等だ。
月へ帰った兎は、事実を他の兎へ伝えます。月兎はストを決行しました。

結果、月に一度の新月ができ、その日は月兎はお休みです。
再び月兎がストを実行すれば、月の出ない日が増えるかもしれませんね。
ファンタジー
公開:24/05/05 18:00
更新:24/05/05 18:20

もりを

400文字という制限のなかで、あれこれと言葉を考えるのが楽しいです。最近では、54字の物語を書くことにもハマっています。

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