出発の音色

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のっぽさんは何でも知っている。僕やママやパパ、じーじやばーばの事だって何でも知っている。
「何でもは知らないよ。知っているのはお爺さんと君のパパ。そして君の事くらいだ」
何でママやばーばの事は知らないの?
「彼女達はウチにやってきたお嫁さんだからね。でもお婆さんや君のママがどれだけ綺麗だったか、よく知っているよ」
ばーばって綺麗な人だったの?
「そうだよ。ただ、お婆さんは君が赤ちゃんの時、旅に出たんだ。あの時は悲しかったなぁ…ウチに来た時の喜びを知っているからこそ、悲しみもひとしおだったよ」
旅に出たら戻って来られないの?
「少なくとも私が鳴らすベルの音で旅立ったのなら、もう戻って来られないよ」
その時、真夜中にも拘らずのっぽさんのベルが鳴った。
「ごめんね。もうお別れだ。私とお爺さんは天国へとのぼる。どうか、元気で」
のっぽさんはそう言うと、百年休まずに動かし続けたその足をそっと止めた。
公開:24/05/01 20:56
大きな古時計

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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