金魚
0
2
馴染みの金魚屋から、金魚を引き取って欲しいと依頼を受けた。金魚の品評会などでお世話になっている人だ。
よっぽど困っている様子だったので、今までの経緯もあり、すぐに引き受けた。
引き渡し当日、金魚屋が持って来たのは、確かに金魚であった。立派な出目金だ。だが、口を開けば綺麗な人の声を出す。
「おばさんとこに嫁ぐ気はないよ」
一目見るなりおばさん呼ばわりだ。失礼このうえない。金魚屋も恐れ入ったという風情で、すいませんねぇと言っている。
何でも、口が悪すぎて客の機嫌を損ねては、たらいまわしにされているのだとか。
なるほどなと納得しつつ、面白いので幾ばくかの餌代と一緒に金魚を貰うことにした。
「おばさんは変人だねぇ」
今日も出目金は口が悪い。だが、やはり可愛らしくもある。アンタも相当な変魚だよと返しながら、優しく餌をまいてやる。
よっぽど困っている様子だったので、今までの経緯もあり、すぐに引き受けた。
引き渡し当日、金魚屋が持って来たのは、確かに金魚であった。立派な出目金だ。だが、口を開けば綺麗な人の声を出す。
「おばさんとこに嫁ぐ気はないよ」
一目見るなりおばさん呼ばわりだ。失礼このうえない。金魚屋も恐れ入ったという風情で、すいませんねぇと言っている。
何でも、口が悪すぎて客の機嫌を損ねては、たらいまわしにされているのだとか。
なるほどなと納得しつつ、面白いので幾ばくかの餌代と一緒に金魚を貰うことにした。
「おばさんは変人だねぇ」
今日も出目金は口が悪い。だが、やはり可愛らしくもある。アンタも相当な変魚だよと返しながら、優しく餌をまいてやる。
ファンタジー
公開:24/05/03 07:52
400字小説
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます