私の体には殺人鬼の血が流れている

私の体には殺人鬼の血が流れている。
とは言っても、両親は善良な一般市民。この血液は輸血したものである。
なんでわざわざ殺人鬼の血なんか…と、思われるかもしれないがそれにはちゃんと理由がある。
実は私、難病を抱えている。その病気は転移しやすく、私の体の中はあちこちにその病巣が出来ている事だろう。
普通なら死を待つだけの私の体。だがそこに殺人鬼の血液を流し込むと話は変わってくる。
殺人鬼の血は全身を巡り、病巣を次々と破壊する。それは病魔相手に殺しを楽しんでいるようでもある。
殺人鬼の血は着実に私の体から病魔を取り除いてくれている。
そうなってくると私の体から病魔がいなくなった時、どうなってしまうのかが不安だ。
その答えは誰にも分らない。だから私は定期健診に行くも、治療は全くしていない。
殺人鬼with難病を掲げる私は、今日も体内で繰り広げられているであろう惨劇にドキドキ・ゾクゾクとしている。