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修行ののちシャーマンになった私のところへ、珈琲宮殿の主からパーティの招待状が届いた。珈琲宮殿の未来を占ってほしいという大胆な依頼だ。
外泊と言えば月一回行われるシャーマン集会だけなので、片道一時間も汽車に揺られるなんて考えたら、緊張で食事は喉を通らず、よく眠れなくなってしまった。
そして迎えた当日、睡眠不足と闘いながらフラフラと目的地である珈琲宮殿直通汽車に乗車した私だったが、いつのまにか爆睡していたらしい。次に目覚めた時には、見慣れない風景の部屋に横たわっていた。周囲に漂う強い珈琲の香りから、すぐに珈琲宮殿の一室へ運ばれたことを察した。
控えていた侍女は驚きながら部屋を飛びだし、まもなく全身珈琲色のスーツを着た紳士とともに戻ってきた。主であることを名乗った彼は、ひどく顔色が悪い。聞けば宮殿完成以来、一睡もしていないのだと言う。私は深刻な表情で告げた。
「大至急、デカフェにしてください」
外泊と言えば月一回行われるシャーマン集会だけなので、片道一時間も汽車に揺られるなんて考えたら、緊張で食事は喉を通らず、よく眠れなくなってしまった。
そして迎えた当日、睡眠不足と闘いながらフラフラと目的地である珈琲宮殿直通汽車に乗車した私だったが、いつのまにか爆睡していたらしい。次に目覚めた時には、見慣れない風景の部屋に横たわっていた。周囲に漂う強い珈琲の香りから、すぐに珈琲宮殿の一室へ運ばれたことを察した。
控えていた侍女は驚きながら部屋を飛びだし、まもなく全身珈琲色のスーツを着た紳士とともに戻ってきた。主であることを名乗った彼は、ひどく顔色が悪い。聞けば宮殿完成以来、一睡もしていないのだと言う。私は深刻な表情で告げた。
「大至急、デカフェにしてください」
ファンタジー
公開:24/04/28 09:49
更新:24/04/28 10:01
更新:24/04/28 10:01
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選
ときどき短編〜長編も書いています(別名義もあります)
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