勇気あるプリン

プリンは今、勇敢にこの小さな空間から抜け出そうとしていた。
透明な花形のカップに窮屈そうに押し込まれていたプリンは、いつか自分が外の世界に出ることを夢見ていた。今日、ついにその夢が叶うのだ。
視界を遮っていた銀色の蓋が剥がされ、プリンは外の空気を全身で感じ取る。底にあるツメが、自分を解き放つ合図のように音を立てて折れる。
いよいよだ。
一呼吸おいて、プリンは宙を舞った。
プリンは飛び込み選手のようにカップから離れ、美しい放物線を描きながらお皿の上に着地した。
心地よい達成感と疲労感に包まれながら、プリンは満足そうに体をぷりんっと震わせた。