幸福活動

私は人を幸せにする活動をしている。
宗教的な話ではない。私は不幸を感じてる人に幸福をおすそ分けする。それで足りないようなら、その人がこの先享受する幸福を前倒しする。
その活動の甲斐あってか、本当なら５年後に結婚するはずの２人が今日、結ばれた。まさに幸せの絶頂といった感じである。喜んでもらえて何よりだ。
そんな二人は５年後に不幸のどん底を味わっている。まあ、本人達がそう言っているだけで、まだどん底ではない。
不幸のどん底というのなら、二人の間に生まれた子どもだよ。両親に幸福を奪われ、死んでいるも同然だ。
その子は私に言った。「死んだら楽になれるかな？」
悪いけど、君に死という救いはないよ。その幸せすら、両親に奪われているからね。
だから私は二人の残りの幸福を全て、その子に与えた。
それでもまだ足りないか…仕方ない。私と一緒に来るかい？
愛情と、幸福をおすそ分けしてもらう方法を教えてあげるよ。