恩師

私の夢を、皆バカにした。
「お前には無理だ」と笑った。実の親でさえ、困った顔で私の説得を試みた。
私の挑戦は、それほどに無謀なものだった…
入学金を手に学校に向かうも、門前払いされそうになった。
その現実に、諦めようかと思った。
「ここは学ぼうとするもの全員に、門戸を開きます」
誰もが私を否定する中、先生だけは私の夢を、挑戦をバカにしなかった。
「私が彼女を教えます。それで問題はありませんね？」
そう言われては、他の教員は何も言えない。
「確かに君のその身体では、車の免許を取るのは難しい…だけど、私は無理だとは思いません。貴方が最初の一人になれば、世界は貴方を認めざるを得ません。一緒に頑張りましょう」
先生は私が挫けそうになる度に励ましてくれた。
そして私はついに運転免許証を手に入れた。
そのニュースは瞬く間に世界中へと広まった。

『世界初！ケンタウロス族の女性。自動車運転免許証を取得』