おかあさん
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京香は、毎月母に会いに来る。
これまで六年間、一度も欠かしたことはない。狭い部屋で眠っている母親と少しだけ会話するために、自宅から二十分程歩いてやってくる。
今日は青空が広がり気持ちのいい春の日だ。母親も喜んでいるだろうと足取りも軽くやってきた。一緒に住んでいた時は、喧嘩することが多かったが、今では喧嘩することもない。昔話を京香が一方的にするだけだ。
「母さん、また来たよ。すっかり春になったね。昔は花見に行く行かないでよく喧嘩もしたね」
そう言いながら、持ってきた花を花立てに差し、京香は手を合わせ目を閉じた。母は六年前に病気で亡くなったのだ。今はお墓に通うのが月一回のルーティンとなっている。後ろから女性が優しい声をかけた。
「京香さん、ご苦労様」京香は優しい声に思わず驚いたように振り向いた。
「えっ、おかあさん」二年前からは、夫の母親が京香の母になっていた。
これまで六年間、一度も欠かしたことはない。狭い部屋で眠っている母親と少しだけ会話するために、自宅から二十分程歩いてやってくる。
今日は青空が広がり気持ちのいい春の日だ。母親も喜んでいるだろうと足取りも軽くやってきた。一緒に住んでいた時は、喧嘩することが多かったが、今では喧嘩することもない。昔話を京香が一方的にするだけだ。
「母さん、また来たよ。すっかり春になったね。昔は花見に行く行かないでよく喧嘩もしたね」
そう言いながら、持ってきた花を花立てに差し、京香は手を合わせ目を閉じた。母は六年前に病気で亡くなったのだ。今はお墓に通うのが月一回のルーティンとなっている。後ろから女性が優しい声をかけた。
「京香さん、ご苦労様」京香は優しい声に思わず驚いたように振り向いた。
「えっ、おかあさん」二年前からは、夫の母親が京香の母になっていた。
その他
公開:24/04/23 21:02
更新:24/04/25 07:49
更新:24/04/25 07:49
お母さん
IT業界を卒業し、小説執筆中です。
普段はnoteでショートショートを投稿しながら、AmazonとAppleと楽天で小説、実用書の電子書籍を販売中です。
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https://sites.google.com/view/teriha/
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