腹へリズム

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午後0時を過ぎると、僕の職場内では色んなリズムがビートを刻み出す。
切羽詰まった激しいロックや、小川のせせらぎのような穏やかなインストゥルメンタル、いざ行かん!と列を成す行進曲、三者三様、十人十色、各人それぞれのリズムが、お昼休みの到来に賑わう。
そう、そのリズムとは各自のお腹の空き具合を意味する。

そして30分を過ぎると、皆穏やかにクラシックに変容したりする。

今日の僕は、優しいイージーリスニング。サンドウィッチで充分。午後から会議もあるので、軽く済ませておこう。

お腹の中をツナマヨの薫りで満たすと、僕にも緩やかなクラシックが流れ始めた。お昼休みもまだ15分は残ってる。僕は押し寄せる微睡みに身を任せた。

ハッ!
耳にこだまするのは運動会で使われる天国と地獄のリズム。

目の前には憤怒の形相の上司。
時計は午後3時。
会議は1時から。
そう、僕は寝過ごした。
その他
公開:24/04/23 13:10

Kaji

作家を目指すしがない中年サラリーマンです。ショートショートはとても苦手なので敢えてこちらで挑戦しようと登録しました!
よろしくお願いします

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