黒板のタイムマシン

2
3

「あーあ、取り外しちゃうのか」
教室に広がる深緑の大きな黒板。近年の学校のICT化により真っ白なホワイトボードに変えられることとなったそれは近くで見ると傷だらけで、今日まで使われていた証がくっきりと残っていた。
私はそっと黒板に手を触れ、頭を下げる。
「今までありがとうございました」
その瞬間、とぷんと体が黒板に沈みこむ感触がした。

気が付くとそこは教室だった。だが何かがおかしい。カレンダーの日付がずっと昔だし生徒の制服も違う。何よりこの視点は、、、私はそこで自分が黒板になっているのに気が付いた。
だが次の瞬間、私の目には見慣れた黒板が映っていた。
たった一瞬だった。だが私は、間違いなくこの黒板を通して過去にタイムスリップしたのだ。

黒板はどうして私にこの景色を見せたのか、この時の私はまだ分からなかった。しかし10年後、私はここの教師として少し黒ずんだホワイトボードの前に立っている。
ファンタジー
公開:24/04/26 00:21
ファンタジー 黒板 タイムスリップ ホワイトボード 学校 フィーリングで読む

ちむ( 愛媛県 )

文を書くことにハマり、最近活動を始めたひよっこ高校生です。お手柔らかにお願いします。

近況報告です!
長らく投稿をお待たせしてしまっていてすみません…ペンが(頭が)絶不調に陥っていまして中々「コレだ!」という作品が書けず…抜け出し次第投稿しますのでゆる〜くお待ちくださいませ!

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容