メリーゴーランドから降りないで
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懐かしいメロディが聞こえて、ふらふらと近づくとそこにはメリーゴーランドがあった。
淡いピンクと水色と白色の、縞々模様の屋根。天辺にはキラキラと輝く星の飾りがついている。
美しい白馬と馬車が音楽に合わせてゆったりと回っており、乗っているのは不思議なことに大人しかいない。
柵に近づいて大人たちの様子を眺めると、皆ぼんやりとした表情をしている。
ただ、幸せそうに見えた。ミルクをいっぱい飲んだ後、すやすやと眠る赤ちゃんの顔に似ている。彼らは、きっと夢を見ているのだ。幸せな子どもの頃に戻る夢。
ふと、その中の一人がメリーゴーランドを降りた。スーツを着た男性だ。
「あぁ、起きたくなかったのに……」
寂しそうに呟き、ポケットからスマホを取り出した彼は、誰かに謝りながら歩いていく。
メリーゴーランドに乗りたがる大人たちの気持ちが、少しわかった気がした。私も彼のように、夢に逃げたいくらい疲れていた。
淡いピンクと水色と白色の、縞々模様の屋根。天辺にはキラキラと輝く星の飾りがついている。
美しい白馬と馬車が音楽に合わせてゆったりと回っており、乗っているのは不思議なことに大人しかいない。
柵に近づいて大人たちの様子を眺めると、皆ぼんやりとした表情をしている。
ただ、幸せそうに見えた。ミルクをいっぱい飲んだ後、すやすやと眠る赤ちゃんの顔に似ている。彼らは、きっと夢を見ているのだ。幸せな子どもの頃に戻る夢。
ふと、その中の一人がメリーゴーランドを降りた。スーツを着た男性だ。
「あぁ、起きたくなかったのに……」
寂しそうに呟き、ポケットからスマホを取り出した彼は、誰かに謝りながら歩いていく。
メリーゴーランドに乗りたがる大人たちの気持ちが、少しわかった気がした。私も彼のように、夢に逃げたいくらい疲れていた。
ファンタジー
公開:24/04/21 21:30
Twitter@N_natsuo
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