劇団結成

地域の催しやお祭りに出演し、皆を楽しませる劇団を作ろうと設立準備委員会を立ち上げた。町内会のメンバーで暇そうな人を募るも、年配者ばかりで精彩を欠く。
キャステングするにも若い者不足となり、まともな劇も作れない。
そこで団員募集しようと、町内会掲示板に広告を出したが、応募は高齢者ばかりだ。
そこで演出担当者は劇団員は皆老人だが、メイキャップや服装に工夫すれば、全ての役を高齢者でこなす事が出来るはずだと言い出した。
或る者は若い恋人同士役、或る者は小学生や赤ちゃん役、或る者は中堅サラリーマン役と皆も役が付き大喜びだ。それでも漏れた人はペット役で犬や猫になっての大舞台となった。
日夜稽古を続けやっと公民館での初日公演になった。来賓として出席した市長も、お祝い挨拶をした。
今日の出し物は青春ドラマであった、若い青年役が丘に登り彼女の事を好きだ～と叫ぶシーンで入れ歯が客席に飛び込んでしまった。