宅配遊園地

ネットで遊園地の宅配サービスというのを見つけた。
期間限定キャンペーンで100円。
何が届くか分からないが、子供の誕生日に良いかもしれない。
安かったので、とりあえず注文してみることにした。

1時間後にチャイムが鳴ったのでドアを開けると、
作業着を着て段ボールを持った男が立っていた。
「遊園地をお届けに参りました」
そう言うと、男は勝手に部屋に上がり込んだ。
その後に続いて、途切れることなく、男が次々と部屋に上がり込んでは、
部屋に段ボールを積み重ねていく。
「ちょっと、何してるんですか！」
「ご注文の遊園地になります」
ドアの向こうには、折り重なるように、はるか彼方まで段ボールを持った男が並んでいた。
「組み立てると1000坪ほどになるのでご注意下さい」
僕は現代の宅配サービスのすごさに眼を白黒させた。
家が遊園地の重さで傾くなか、段ボールは途切れることなく積まれていく・・・。