彦頁

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聞いてほしい。そう言って優也は話を始めた。
「オレがまだ小さかった時、屋根裏で遊ぼうと親戚の子に誘われたんだ。その子と屋根裏に行くと、大人が2人遊園地のジオラマで遊んでいた」
なぜ屋根裏で遊んでいたのか、俺は不思議に思ったが黙って優也の話を聞いた。
「一緒にあれで遊ぼうと、親戚の子が木でできた小さな人形をオレに渡してきた。当時のオレは特になにも考えず、その人形で遊ぶために遊園地のジオラマに近づいたんだ。そこであることに気づく。先に遊んでいた2人の人形には顔があって、オレのには顔がないってこと」
なんだ、そんなことか。俺は少しホッとする。めちゃくちゃ怖いことを言われると思ったからだ。
「まぁいいやって、自分の人形をジオラマに入れようとした時、オレを呼ぶ母さんの声が聞こえた。だからオレは屋根裏を下りようとしたんだ。その時、見ちゃったんだ……」
「なにを?」

「見てたんだ。顔がない3人が――」
ホラー
公開:24/04/21 23:40

フジ

夢も字もデカデカと!

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