観覧車執筆法
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高校の文芸部を辞めた。一人で書く方が性に合っている。近所の遊園地の年間パスを購入し、観覧車の中で小説を執筆するのを日課にしている。一周は約十五分。原稿用紙一枚分のショートショートを、乗っている間に書き上げるのだ。
しかしその日は執筆集中モードが破られた。前を進むゴンドラの窓を叩く音がした。中にいる女子高生が、僕と同じスタイルの原稿用紙を広げてこちらに見せてきた。
「私も、ここで小説、書いてる!」
升目を無視した大きな文字で、彼女は僕に訴えてきた。
観覧車が地上に着くと、先に降りた彼女は柵の外で待っていた。手元には原稿用紙の束がある。きっと僕に読んでもらいたいのだろう。
観覧車を一周しても一編を書き上げられなかった僕は、彼女に手を振り、二週目へ向かうために行列に並びなおした。彼女が隣に並んできた。彼女の持つ原稿のタイトル「観覧車爆破恋愛術」というタイトルが目に入った。
しかしその日は執筆集中モードが破られた。前を進むゴンドラの窓を叩く音がした。中にいる女子高生が、僕と同じスタイルの原稿用紙を広げてこちらに見せてきた。
「私も、ここで小説、書いてる!」
升目を無視した大きな文字で、彼女は僕に訴えてきた。
観覧車が地上に着くと、先に降りた彼女は柵の外で待っていた。手元には原稿用紙の束がある。きっと僕に読んでもらいたいのだろう。
観覧車を一周しても一編を書き上げられなかった僕は、彼女に手を振り、二週目へ向かうために行列に並びなおした。彼女が隣に並んできた。彼女の持つ原稿のタイトル「観覧車爆破恋愛術」というタイトルが目に入った。
青春
公開:24/04/20 15:45
何かしら書いてます。https://note.com/dorobe56
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