お化け屋敷

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「オバケなんて全然怖くないから」
そう言って僕と妹はお化け屋敷の乗り物に乗った。
まだ幼稚園の妹は怖がっているが、僕はもう小学校3年生。

出てくるオバケにスポットライトを当てると成仏するんだ。
壁の後ろやゴミ箱中、次々とオバケを見つけていく。
「ほら!全然怖くないよ!にいちゃんがオバケ全部倒してやるから!」
僕の服を掴んでいる妹に声をかける。コクンと妹の首を下がるが、まだ怖いのか震えている。
ライトを当ててオバケを成仏させていく。何度も練習して隠れオバケだって見つけたんだ。


乗り物に揺られて進んでいく。シューティングゲームが得意な僕はこのお化け屋敷が大好きだ。最初は僕だって怖かったけど、オバケを見つける楽しさの方が強かった。


終盤は特に高得点のオバケが出てくる。最後のオバケはすばしっこいから見つけたらすぐに狙う。


僕は、出口で手を振る両親に素早くスポットライトを当てた。
ホラー
公開:24/04/21 15:24

すずむら( note )

noteにてAI画像生成、ショートショート書いてます。
ノンフィクション『女子留置所の中』連載中

スズムラ
https://note.com/suzumuraxxxjun

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