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「そんなの都市伝説だよ」
僕は、恋人と来ると別れるという遊園地に、初めての彼女を連れて行った。
最初、池のボートに乗った。それはバランスが悪く周囲では次々と転覆し、あちこちでずぶ濡れのカップルが喧嘩をしていた。ボート部員の僕は、危うくなりながらも岸へ戻れた。
次にジェットコースターに乗った。物凄い速さと宙返りの激しさで周囲から男女の悲鳴が聞こえる。僕も恐ろしくて少し漏らしてしまった。彼女が失神してくれたお陰で恥をかかずに済んだ。
最後はお化け屋敷だった。格好良い所を見せようと
「僕について来い」
そう言って、彼女の手を掴んでぐいぐいと前に進んだ。「キャー」と悲鳴と共に手を離してしまう彼女。その度に手を握っては引っ張っていった。
「もう大丈夫だよ。お化けなんて偽物さ」
そう言って振り向くと、そこには白い着物姿のお岩さんがいた。
後ろから追いついて来た恋人は般若の形相をしていた。
僕は、恋人と来ると別れるという遊園地に、初めての彼女を連れて行った。
最初、池のボートに乗った。それはバランスが悪く周囲では次々と転覆し、あちこちでずぶ濡れのカップルが喧嘩をしていた。ボート部員の僕は、危うくなりながらも岸へ戻れた。
次にジェットコースターに乗った。物凄い速さと宙返りの激しさで周囲から男女の悲鳴が聞こえる。僕も恐ろしくて少し漏らしてしまった。彼女が失神してくれたお陰で恥をかかずに済んだ。
最後はお化け屋敷だった。格好良い所を見せようと
「僕について来い」
そう言って、彼女の手を掴んでぐいぐいと前に進んだ。「キャー」と悲鳴と共に手を離してしまう彼女。その度に手を握っては引っ張っていった。
「もう大丈夫だよ。お化けなんて偽物さ」
そう言って振り向くと、そこには白い着物姿のお岩さんがいた。
後ろから追いついて来た恋人は般若の形相をしていた。
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公開:24/04/19 02:13
プチコン5~遊園地
はじめまして。田丸先生の講座をきっかけに小説を書き始めました。最近は、やや長めの小説を書くことが多かったのですが、『渋谷ショートショート大賞』をきっかけにこちらに登録させていただきました。
飼い猫はノルウェージャンフォレストキャットです。
宜しくお願い致します
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