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引っ越した先は曇ガラスだった。
ガラリと開けて気持ち程度のバルコニーに出る。
「透明なガラスだったら良かったのに。」
安い物件は隣接した建物と向き合っていて、あえて自分でくもりガラスシートを貼る事もあるが、ここは前は道なのでそこまで隣が気になる訳じゃない。
どうしてくもりガラスなのだろう?
日差しが強すぎるのだろうか?
でもそれもすぐに慣れた。
私は厚手のカーテンだけを下げ殆ど使わずにいた。
ある日、飲み会があって終電で帰った。
ほろ酔い気分で鼻歌を歌いながら真っ暗な部屋に入っていき、パチリ、と電気をつけた。
「……ッ!!」
ぱっと明るくなったその一瞬、窓に顔が見えた。
私は動けなくなった。
持っていた鞄が手から落ちる。
暫くそのまま動けず立ち尽くした。
ただの顔じゃない。
窓にみっちりと張り付いた巨大な顔が、部屋の中を血眼で覗いていた。
窓は、くもりガラスじゃなかった。
ガラリと開けて気持ち程度のバルコニーに出る。
「透明なガラスだったら良かったのに。」
安い物件は隣接した建物と向き合っていて、あえて自分でくもりガラスシートを貼る事もあるが、ここは前は道なのでそこまで隣が気になる訳じゃない。
どうしてくもりガラスなのだろう?
日差しが強すぎるのだろうか?
でもそれもすぐに慣れた。
私は厚手のカーテンだけを下げ殆ど使わずにいた。
ある日、飲み会があって終電で帰った。
ほろ酔い気分で鼻歌を歌いながら真っ暗な部屋に入っていき、パチリ、と電気をつけた。
「……ッ!!」
ぱっと明るくなったその一瞬、窓に顔が見えた。
私は動けなくなった。
持っていた鞄が手から落ちる。
暫くそのまま動けず立ち尽くした。
ただの顔じゃない。
窓にみっちりと張り付いた巨大な顔が、部屋の中を血眼で覗いていた。
窓は、くもりガラスじゃなかった。
ホラー
公開:24/04/18 23:58
更新:24/04/19 00:41
更新:24/04/19 00:41
怖い
意味がわかると怖い話
ぽんずとかねぎとか薬味と調味料。
(たまに作品整理をします。整理したSSはNovelDays等にあります)
http://lit.link/misonegi
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