潰して当然

2
2

前の経営者から買収した遊園地を買ってすぐに廃業することにした。多くの人々が楽しんでいた遊園地だったので潰すことに批判が沢山来た。
「金の亡者め」
「子供の幸せを奪うなんて悪魔だ」
なんと言われようといい。これは俺の夢を叶えるためなんだから。
廃業した日の夜、誰もいない遊園地に来た。
メリーゴーランドの前に立つと、台の上に乗った木馬たちが次々と人間の姿へと形を変えた。木馬から女の子に変わった子が俺の側に寄ってくる。
「助けてくれて、ありがとう」
「どういたしまして」
彼らの一族は木製の馬に姿を変えられる能力を持っていた。前の遊園地の経営者に捕まってから無理矢理、木馬としてメリーゴーランドで働かされていたのだ。
彼らを解放することが俺の夢だった。
「幸せを奪うなんて悪魔」って言うけど、誰かの犠牲の上に成り立つ幸せなんて、潰して当然でしょ。
ファンタジー
公開:24/04/18 00:43
更新:24/04/18 15:18

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容