4
3
海辺の道に並んでいた店舗が廃業、移転したりして今ではぽつんと理髪店だけ。ガラス戸から入ると初老の理髪師が「いらっしゃい」と立ち上がる。
「いつもの感じですね」と私の髪を見ながらPCに入力して理髪用椅子に案内する。椅子に座ると両脇からアームが出て白い布をかけられる。続いて数本のハサミ付きハンドが髪の毛をチョキチョキと刈る。刈り終わるとヘルメットが被せられ、頭部にシャンプーとマッサージ。ブロワーで乾かす。
「顔はどうします?」
「やってくれ」
泡が吹かれて剃刀ハンドが顔を剃る。フルコース。
「景気はどうだい」
「あんまりですね。椅子ロボットはレンタル料が高くて」
「高そうだね」
「AIのOS更新を言われて、これも経費がね。古いのでは業務に支障が。椅子ロボットを操作しきれないんです。そろそろ引退かな」
理髪師がAIロボットだとは町のみんなが知っている。次に店に行くと「閉店」の貼り紙がしてあった。
「いつもの感じですね」と私の髪を見ながらPCに入力して理髪用椅子に案内する。椅子に座ると両脇からアームが出て白い布をかけられる。続いて数本のハサミ付きハンドが髪の毛をチョキチョキと刈る。刈り終わるとヘルメットが被せられ、頭部にシャンプーとマッサージ。ブロワーで乾かす。
「顔はどうします?」
「やってくれ」
泡が吹かれて剃刀ハンドが顔を剃る。フルコース。
「景気はどうだい」
「あんまりですね。椅子ロボットはレンタル料が高くて」
「高そうだね」
「AIのOS更新を言われて、これも経費がね。古いのでは業務に支障が。椅子ロボットを操作しきれないんです。そろそろ引退かな」
理髪師がAIロボットだとは町のみんなが知っている。次に店に行くと「閉店」の貼り紙がしてあった。
その他
公開:24/04/20 06:07
2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。
ログインするとコメントを投稿できます