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その日、会社の飲み会が終わると、私は駅へ向かった。途中でうっかり飲み屋街に迷い込み、酔っ払いに絡まれて腕を捕まれてしまった。そこへ誰かが来て酔っ払いを引き離し、私を大通りまで連れて行ってくれた。「大丈夫? 気をつけて帰って」そう言うとその人はその場から消えた。つないでくれた手の温もりがずっと残っていた。以来彼のことが忘れられなかった。
半月ほどして、私は姉夫婦の新居を訪ねた。5歳の甥っ子の遊び相手に疲れ、戦隊ヒーローものの番組を一緒に見た。ヒーローのチャッカマンは口から火を噴き悪者を倒すと狭い小路へ消え、酔っ払いに絡まれた女性を助けた。
「大丈夫? 気をつけて帰って」そう言うと彼は立ち去った。
「え?」
あの声、あの後ろ姿。間違いない。それにしても、私の緊急事態に正義の戦隊ヒーローが駆けつけてくれたとは。
「チャッカマン、ありがとう!」
私は思わず叫び、甥っ子は不思議そうに私を見ていた。
半月ほどして、私は姉夫婦の新居を訪ねた。5歳の甥っ子の遊び相手に疲れ、戦隊ヒーローものの番組を一緒に見た。ヒーローのチャッカマンは口から火を噴き悪者を倒すと狭い小路へ消え、酔っ払いに絡まれた女性を助けた。
「大丈夫? 気をつけて帰って」そう言うと彼は立ち去った。
「え?」
あの声、あの後ろ姿。間違いない。それにしても、私の緊急事態に正義の戦隊ヒーローが駆けつけてくれたとは。
「チャッカマン、ありがとう!」
私は思わず叫び、甥っ子は不思議そうに私を見ていた。
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公開:24/04/19 21:41
更新:24/04/19 22:24
更新:24/04/19 22:24
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