主の機嫌

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駆けつけた警官は通報者宅の呼び鈴を押した。まもなく住民の中年女性が姿を現した。
「電話でお話しましたけど昨夜お隣さんが意味不明なことを叫んだあと、急に静かになったんてす」
「具体的にはなにを?」
「『出ていけと言ったのは取り消すから戻ってきて!』と言ってました」
「そうですか」
警官は数歩先にある隣家の呼び鈴を押したが応答はない。
「他におかしなことは?」
「そういえば普段から男女の言い争う声が聞こえたのに見かけるのは男性一人だけでした」
となると事件に巻き込まれた第三者が存在するかもしれない。警官が対応を考えあぐねていると、同僚が老婆とともにやってきた。
「そちらの住民の親戚から捜索願いが出されたので大家さんをお連れしました。一緒にご確認をお願いします」
念のため再度呼び鈴を押したが、無音のため、合鍵で部屋を開けた。しかしなかには充電が切れた一台のスマートフォンが残されているだけだった。
ミステリー・推理
公開:24/04/19 18:25
更新:24/04/19 20:35

いちいおと( japan )

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作品の画像は✴かんたん表紙メーカー✴で作成しています

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