リターン・トゥ・ニルヴァーナ

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 かつて遊んだ遊園地は潰れて廃墟になっていた。大勢いた仲間も二人だけになってしまった。
「ここで昔よく遊んだよな」相棒はどうにか頷いてくれた。どうして俺達は犯罪者になって逃げてんだろうな。子供の頃を思い出してんだろうな。弾の切れた銃を大事に抱えてんだろうな。

 伸びた草の間から顔が飛び出してきた。思わず銃を向けたが、警察ではなく、かつての俺達と同じくらいの少年少女だった。
「お姉さん、怪我してるの?」相棒を指して少年が言った。血が流れ過ぎている。もう長くはない。
「あっち行けよ。危ないぞ」
「お兄さん達が僕らの遊び場に入ってきたんでしょ」

 廃墟となってもここは遊び場になっていたんだな。
「悪かったな。じゃあ『けいどろ』始めようか。俺達が警察だ」
「分かった! 千秒数えてね!」
「長えよ」
 千秒数え終わる頃に相棒は息を引き取った。そういえばあの子供達は、昔の俺達に似ていた。
ホラー
公開:24/04/19 09:08

泥辺五郎

何かしら書いてます。https://note.com/dorobe56

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