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「初めて出会った時から、あの子は私に夢中だったわ。
個性豊かな仲間たちの中で、美しい曲線を持っているのは私だけ。それが私のいちばんの自慢だった。
あの子はなにかを確かめるかのように、私の身体を様々な形のものに押し当てたのよ。あの子はそのたびに、いろいろな数字を呪文のようにつぶやき、わたしはあの子の役に立っているという実感で、胸がいっぱいだった。この幸せな時間がいつまでも続けばいいと思って。
でも、成長するにつれ、あの子はしだいに私に冷たくなっていった。私はじゃまもの扱いされるようになり、隅っこに追いやられ、もうあの子は私に見向きもしない」
分度器はそう言って嘆いた。
個性豊かな仲間たちの中で、美しい曲線を持っているのは私だけ。それが私のいちばんの自慢だった。
あの子はなにかを確かめるかのように、私の身体を様々な形のものに押し当てたのよ。あの子はそのたびに、いろいろな数字を呪文のようにつぶやき、わたしはあの子の役に立っているという実感で、胸がいっぱいだった。この幸せな時間がいつまでも続けばいいと思って。
でも、成長するにつれ、あの子はしだいに私に冷たくなっていった。私はじゃまもの扱いされるようになり、隅っこに追いやられ、もうあの子は私に見向きもしない」
分度器はそう言って嘆いた。
ファンタジー
公開:24/04/16 22:10
更新:24/07/01 19:28
更新:24/07/01 19:28
老後の楽しみに、短いものを時々書いています。
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