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今日は俺の結婚式だ。身内だけの式だがいい写真がたくさん撮れた。いまは俺史上最高の幸せをかみしめながら妻のお色直しを待っている。
スマホが鳴ったのはそのときのこと。俺は血相を変えて応答した。
「なにかあったのか?」
「ミアのこと愛してるって言って!」
あわてていたせいかスピーカーにしてしまった。この会話が周囲に聞こえたら大変なことになる。緊張で固まった指先を不器用に動かしてスピーカーを切りスマホを耳に寄せた。
「もちろん愛してるよ、ミア!」
場を丸く収めるにはそう答えるしかない。あとでいくらでも言い訳はできる。
「ところでサトルはどうした? 電話を代わってくれないか?」
「嫌だね、ギャー!!」
通話はミアの鳴き声を最後に途絶え、背後からは怒りに満ちた妻の声が響いた。
「ねえ、ミアって誰?」
相手は友人に預けたオウムだと釈明したいが、結婚指輪の購入資金を使い果たしたとは言えない。
スマホが鳴ったのはそのときのこと。俺は血相を変えて応答した。
「なにかあったのか?」
「ミアのこと愛してるって言って!」
あわてていたせいかスピーカーにしてしまった。この会話が周囲に聞こえたら大変なことになる。緊張で固まった指先を不器用に動かしてスピーカーを切りスマホを耳に寄せた。
「もちろん愛してるよ、ミア!」
場を丸く収めるにはそう答えるしかない。あとでいくらでも言い訳はできる。
「ところでサトルはどうした? 電話を代わってくれないか?」
「嫌だね、ギャー!!」
通話はミアの鳴き声を最後に途絶え、背後からは怒りに満ちた妻の声が響いた。
「ねえ、ミアって誰?」
相手は友人に預けたオウムだと釈明したいが、結婚指輪の購入資金を使い果たしたとは言えない。
その他
公開:24/04/17 22:16
更新:24/04/18 19:33
更新:24/04/18 19:33
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選
ときどき短編〜長編も書いています(別名義もあります)
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