将来の夢

『私の将来の夢は、怪獣になって皆を殺す事です』

１０年前。少女の作文にクラスの全員が爆笑した。
あの時バカにした報いを今、世界が受けている。
少女は怪獣になった。
いじめの仕返しと言わんばかりに無慈悲に全てを踏みにじった。楽しそうに破壊の限りを尽くした。
誰も怪獣の歩みを止められない。
怪獣となった少女によって、世界は終わりを告げた。

そんな未来を回避する為、僕は過去へとタイムリープする。
ずっと後悔を抱えていた僕。この１０年。過去をやり直す研究を続けていた。
少女を救えるのは、幼馴染の僕しかいない。
少女が怪獣になる前に僕が助けるんだ。
果たして僕は１５年前に遡り、少女を守り続けた。

「私の将来の夢？…君のお嫁さんかな」

改変した過去の世界。１０年前。少女は僕にそう告げた。
「なれるものなら、なってみろ」
僕の挑発を受けた彼女は当然のように夢を叶えた。
僕は今日、彼女と結婚する。