遊園地の有給

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私は都内にあるA遊園地の観覧車だ。
春が過ぎ、入園者も落ちついてきたので有休を取った。さて。今回はどこへ行こう。長崎もいいが神戸も魅力的だ。北海道もいいな!
「あのう……もしかして、A園の観覧車さんですか?」ミニマムサイズで乗り込んだ新幹線で、早速声をかけられた。「あ、はい……」
「すごーい!わたし年パス持ってて、毎回ラストはあなたに乗るって決めてるんです!あの、一緒に写真いいですか?」ふう。まあ毎度のことなので、気にしない。
ああ。初めて来たが、長崎のK園は噂どおり素晴らしい!私より遥かに有給が取りづらいジェットコースター君にも見せてあげたい。
「あれっ、A園の観覧車さんではないですか?やはりご本人!あの、休暇中なのは重々承知しておりますが、お願いがありまして……」
やれやれ。まさか長崎でも仕事をすることになろうとは。いやしかし、人の笑顔はどの土地で見てもいいもんだ。
ファンタジー
公開:24/04/14 15:44
更新:24/04/21 17:50
プチコン5~遊園地

二森 ちる

※再設定しました

二森 ちる (ふたもり ちる) と申します。投稿再開しました!

最近の受賞歴は

●第25回「創作童話・絵本・デジタル絵本コンテスト」創作童話部門(2024)
 岩崎書店賞「バスのまどから見えたのは」

●第4回「スマイル童話賞」(2024)
 入賞「ネコさまのいない世界なんて!」


二森 ちる➡童話・児童文学
鬼頭 ちる➡怪談・小説   で筆名を使い分けています。

Xは tilukitoh2_3
キジ白猫をこよなく愛しています。
 

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