私の子守唄

4
4

ねむれ、ねむれ、小さな子。
羊水を通じて、そんな子守唄が聞こえてくる。
ここはお母さんのお腹の中。つい最近意識が芽生えた私は、聞こえてくる子守唄に耳を澄ましていた。
このお腹の中みたいにあったかくて、優しい。私が生まれるのをずっと待ってくれてる。私だけの子守歌だ。私は胸がいっぱいになって、足で壁を蹴り答える。
「お、動いた。ねえ、今お腹蹴ったよ」
お母さんの嬉しそうな声。この声を聞くと私も嬉しくなる。
「そうなのか?元気だなあ、もうすぐ会えるかな」
この声は、お父さんだ。たまに話しかけてきたりおかあさんと一緒に歌ったりしている。
と、「俺も」とお父さんが子守唄を歌い始める。一つの声に、柔かいお母さんの声が加わって一つの唄になる。
ねむれねむれ、小さな子。かわいい私の小さな子。
早く会って、外の世界でこの歌を聞いてみたい。でもまだ外の世界は怖いから、もう少しだけ、ここでの子守歌を堪能させて。
ファンタジー
公開:24/04/15 00:14
子守唄 子供 母親 父親 ファンタジー

ちむ( 愛媛県 )

文を書くことにハマり、最近活動を始めたひよっこ高校生です。お手柔らかにお願いします。最近コメント返せてなくてすみません、、、時間のある時に少しずつ返していきますのでゆっくり待っていてください!

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容