私はキャンディー売り

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私は遊園地のキャンディー売り。毎日、子どもたちが大好きなカラフルで甘〜いキャンディーを売っている。
「お姉さん、キャンディーください」
今日も子どもたちがキャンディーを買いに来る。大人もお年寄りも買いに来る。
かつて子どもだったお客さんが大人になって自分の子どもと来る。そして孫と来る。この遊園地もキャンディー売り場も、いつの時代も賑わってきた。
ここだけの話だが、入場者数を陰で支えているのは、実はこの私。キャンディーには魔法がかかっている。1年以内にまたここへ来たくなる魔法。さらにここへ来たらキャンディーを食べたくなる魔法も。1度キャンディーを食べたら、年に1度は来園するリピーターになるってわけ。
誰が魔法をかけているのかって? それも私。子どもだったお客さんがおばあちゃんになって孫と来ても、魔法使いの私は年をとらないから「キャンディー売りのお姉さん」のまま。開園以来60年間ずーっと。
その他
公開:24/04/12 19:51
更新:24/04/12 22:51

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