桜散る
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4月上旬。
この時期に雨が降ると、僕は決まって小学校に行く。
といっても、学校に用があるわけではない。
僕が通っている小学校は南北に長く、北に校舎、南に校庭がある。
学校の敷地は緑の網のフェンスで囲われていて、その外側にちょっと大きめの水路があって、その外側に歩道がある。
校庭には桜の木が何本か植えられてあって、いつもは自信満々だけど雨の日は縮こまっている。
そんな様子だから、花が散っては水路に誘い込まれて流される。
役目を終えて、なんにも抗わずに運ばれていくその花びらを、僕は歩道にしゃがんでじぃっと見守る。
お気に入りの青色のレインコートと長靴が、ぱらぱらと雨をはじく。
散歩しているおじいさんが近寄ってきて、一緒になって花びらを見て、
「風流だね」
と言った。
僕も
「フウリュウだね」
と言った。
この時期に雨が降ると、僕は決まって小学校に行く。
といっても、学校に用があるわけではない。
僕が通っている小学校は南北に長く、北に校舎、南に校庭がある。
学校の敷地は緑の網のフェンスで囲われていて、その外側にちょっと大きめの水路があって、その外側に歩道がある。
校庭には桜の木が何本か植えられてあって、いつもは自信満々だけど雨の日は縮こまっている。
そんな様子だから、花が散っては水路に誘い込まれて流される。
役目を終えて、なんにも抗わずに運ばれていくその花びらを、僕は歩道にしゃがんでじぃっと見守る。
お気に入りの青色のレインコートと長靴が、ぱらぱらと雨をはじく。
散歩しているおじいさんが近寄ってきて、一緒になって花びらを見て、
「風流だね」
と言った。
僕も
「フウリュウだね」
と言った。
その他
公開:24/04/12 12:53
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