僕だけの遊園地

「いくよー！」
開園の合図が聞こえた。
坊主のようちゃんの声は犬の遠吠えにも負けない。

まずは川のトレジャーハント。
見たことがない石や背中がキラキラ背中の魚を追いかける。

次はジャングル探検。
草むらの奥からなにやら気配。
「にげろー！」
秘密基地へなんとか逃げ込んだ。

そして、土手のジェットコースター
倉田農園製のお手製乗り物で滑り降りる。

遊び疲れたら、おやつの時間。
蜜の花をちゅーちゅーしながら、剣士の稽古だ。

街が赤く染まるころ、終園の合図。
虫たちの演奏でパレード。

ようちゃんと別れた後、後ろを振り返った。
山の上にカラフルな丸いビー玉が、猛スピードで空へ消えていった。
ここのクルーはいつもサプライズをしてくれる。

みんなの、そして僕だけの遊園地。
もう少し大きくなったらナイトツアーに行こう。