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幼い頃家族で来た小さな遊園地。閉園したはずなのに、観覧車が動いていた。
係員が立っている。
「本日は昔をしのんで来園したお客様のために、無料サービスです」
「じゃあ、乗るよ」
客は僕一人だ。ドアが閉まり、ゴンドラが動く。おや、妙な感じ。観覧車は時計回りに動いていたはずなのに、反対に回っている。まあいいか。
ここに来たら必ずこの観覧車に乗った。両親と僕と妹。二十年も前だ。僕は今家族と離れて一人暮らし。
いちばん高い所に来た。すばらしい眺めだ。昔と全く変わらぬ景色が広がる。
あれ、この辺りは二十年の間に都市化が進んだ場所なのに、どうして同じ景色なんだろう。
観覧車が地面に近づき、夢のような時間が終わる。お母さんとお父さん、そして妹の沙也が待っている。
「お兄ちゃん。一人で観覧車に乗って、どうだった?」
「ちょっと大人になった気分かな」
お父さんもお母さんも楽しそうに笑った。
係員が立っている。
「本日は昔をしのんで来園したお客様のために、無料サービスです」
「じゃあ、乗るよ」
客は僕一人だ。ドアが閉まり、ゴンドラが動く。おや、妙な感じ。観覧車は時計回りに動いていたはずなのに、反対に回っている。まあいいか。
ここに来たら必ずこの観覧車に乗った。両親と僕と妹。二十年も前だ。僕は今家族と離れて一人暮らし。
いちばん高い所に来た。すばらしい眺めだ。昔と全く変わらぬ景色が広がる。
あれ、この辺りは二十年の間に都市化が進んだ場所なのに、どうして同じ景色なんだろう。
観覧車が地面に近づき、夢のような時間が終わる。お母さんとお父さん、そして妹の沙也が待っている。
「お兄ちゃん。一人で観覧車に乗って、どうだった?」
「ちょっと大人になった気分かな」
お父さんもお母さんも楽しそうに笑った。
ファンタジー
公開:24/04/08 22:00
更新:24/04/09 07:25
更新:24/04/09 07:25
老後の楽しみに、短いものを時々書いています。
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