運動会の話

病室の窓から外を眺める。今頃、私の通うはずだった小学校ではリレーの真っ最中か…
時々、ぱぁん！とピストルの音が聞こえてくる。剣の舞のリズムに思わず走り出したくなる。
今まで一度も参加した事のない運動会。一度は出てみたい運動会。
いつかは参加してみせると希望を抱き、私は今日も闘病を続ける。

運動会で実行委員をしている俺は、空に向かってピストルを撃つ。こいつは空砲じゃない。実弾入りだ。
俺はこいつで、病院へと向かう死神を次々と撃ち落としている。
こいつらが狙うのは俺の幼馴染。きっと幼馴染は運動会の音に興奮しているのだろう。心臓の病気を抱えているのに無茶しやがって…
だが心配はいらない。俺の目の黒い内は、事故に見せかけて死神どもを全部撃ち落としてやるからな。