ゲームセンターにて

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ばちっ、とガラスケース越しに目が合う。
それは運命の出会い。
私は投入口に小銭を入れて、あの子を家に迎えようと儀式を始める。
空から落ちてくる機械の腕が、あの子を狙い撃つ。
…が、そう簡単には行かない。
そういう設定なのか、単純に私が下手なのか。恐らく前者が3、後者が7。
ありったけの小銭を投入口につぎ込む。なんとかあの子は、ゴール手前まで来てくれた。
そこまできたらもう少し…だが、ここで問題が発生。

小 銭 が 無 い

慌てて近くの両替機へ向かう。
1000円札を細かくし、そしてもう一度あの子の元へ…

「パパー、ぬいぐるみありがとー!」
「いやぁ、クレーンゲームは苦手だけど、取りやすい位置にあって良かった」

小さな女の子の抱えたあの子とばちっ、と目が合う。
いや、これでいい。
あの子は、女の子を笑顔にしたのだから。
そう気持ちを切り替えて、私はゲームセンターを後にした。
その他
公開:24/04/08 07:35

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