百年後まで

「ねぇ、あなた」
「なんだい？」
「二人で初めて行ったあの場所覚えているかしら」
「もちろん！〇×遊園地だろう。忘れるはずもない」
「ねぇ、あなた」
「なんだい？」
「あそこのお花畑きれいだったわよねぇ」
「きれいだったよね、僕は見ていることしかできなかったけど」
「ふふふ、はしゃぎまわる私をずっと見ていたものね」
「まぁね」
「でも意外だったわ、あなたがジェットコースター苦手だなんて」
「僕にだって苦手なものの一つや二つぐらいあるのさ」
「私、あなたのこと完璧な人だと思ってたわ」
「ちょっとの欠点が慕われるコツなのさ。それに好きな人の前でぐらいかっこつけたくもなるものだよ」
「そうかしら」
「そういうものだよ」
「ふふふ。ねぇ、あなた」
「なんだい？」
「私のこと覚えていてくれるかしら」
「もちろん！百年後も忘れないさ」
「ふふふ、よかったわ……」

「おやすみ、△△。いい夢を。」