コーヒーカップ

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遊園地の絶叫マシンが苦手だ。
黄色い声で騒いで、隣の男子に抱きつく女子をいつも横目で見ていた。
怖すぎて、体が硬直して声が出ない私。
反応のない私は、可愛げがないのである。

ある日、男女数人で遊園地に行くことになった。
私は、絶叫マシンが苦手なので遠慮をする。
「ぼくも」
私と、一人の男性が待つことになった。
「コーヒーカップにでも乗りませんか?」
せっかく遊園地にきたのだからと、二人で乗ることに。

ゆっくりと回っていたカップが、高速に回りだした。
ぐるぐると目が回るようだった。

ふらふらになった私たちは、ベンチで休憩。
三半規管のよわい彼は、横になった。
私は彼を介抱する。
それにしても、どうしてあんなに回ったのだろう。

ここは空の上。
神様が大きなコーヒーカップにミルクを入れて、スプーンでかき混ぜている。
恋の神様の計らいで、二人は付き合うことになる。
ファンタジー
公開:24/04/10 15:14

もりを

400文字という制限のなかで、あれこれと言葉を考えるのが楽しいです。最近では、54字の物語を書くことにもハマっています。

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