新人君

久しぶりにジムに行くと、入口に手書きの張り紙。「オイラ 故障のため休館」と。意味が分からずじっと見ていると、スタッフが来た。「休館ですか？」と聞くと「いいえ。あ、新人君だな。こんな張り紙して。ボイラーの調子は悪いんですけど、ジムには影響ないんで通常営業です」と張り紙を剥がした。ボイラーか。入館していつも通りのメニューをこなす。
帰りがけ、出口にまた張り紙。「お利用おりがとうございした」と子どものような文字で書いてある。見ているとスタッフが来た。「ああ、また新人君だ。パソコン苦手だから手書きにするとか言って間違いだらけで困るなあ」と苦笑い。「なあ新人君」と振り返った先に、丸顔で胸に「新人君」と名札を付けたロボットが立っていた。「こんにちは」と言うと「今日は４月７日」と得意げに答えた。「彼、たぶん不良品なんだけど、返品きかないらしくて」とスタッフは言い、新人君は鼻歌を歌いながら移動していった。