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君と初めてのデートは仕事終わり。
閉園間際の遊園地だった。
人気のない遊園地。
普段ならたくさんの人の声で溢れている場所のはずなのに、貸し切りみたいに二人きりで。なんとなく、手を取ったのを覚えている。
いい年して観覧車なんかに乗っちゃって。
『頂上でキスしたら結ばれる』そんなジンクスを思い出した。
学生時代に経験はなかったけれど。
ふと、今なら経験できる気がして。
「ねぇ、マスク取ってよ」
気がついたらそう言っていた。
今でも、鮮明に覚えている。
驚いてまんまるに見開かれた瞳の中に、
期待が覗いていて。どうすればいいのかわからない、といったふうにオドオドしていて、それがとても愛おしくて。
無理やりマスクを取って、キスしたんだっけ。
そんな君も今では、平然と手をつなぎ、
好きあらばキスをせがむ人になった。
思い出の場所を通る度に頬が緩む。
今日は、初々しさが恋しい日。
閉園間際の遊園地だった。
人気のない遊園地。
普段ならたくさんの人の声で溢れている場所のはずなのに、貸し切りみたいに二人きりで。なんとなく、手を取ったのを覚えている。
いい年して観覧車なんかに乗っちゃって。
『頂上でキスしたら結ばれる』そんなジンクスを思い出した。
学生時代に経験はなかったけれど。
ふと、今なら経験できる気がして。
「ねぇ、マスク取ってよ」
気がついたらそう言っていた。
今でも、鮮明に覚えている。
驚いてまんまるに見開かれた瞳の中に、
期待が覗いていて。どうすればいいのかわからない、といったふうにオドオドしていて、それがとても愛おしくて。
無理やりマスクを取って、キスしたんだっけ。
そんな君も今では、平然と手をつなぎ、
好きあらばキスをせがむ人になった。
思い出の場所を通る度に頬が緩む。
今日は、初々しさが恋しい日。
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公開:24/04/06 02:00
すきなものを、すきなように。
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