パパは遊園地

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 どうしてわたし、スカートなんて。風が吹くってママに散々聞かされてきたのに。右手がソフトクリームで、もうすぐ傘をさすからパパ、もう手はつなげないよ。ほら靴がこんなにたくさん落ちてくる。見上げるのは嫌。怖いのは嫌。目が回るのはもっと嫌。でも、大丈夫だから強く掴まないで膝にのせて。もっとゆっくり。みんな動き回るけどずっと同じでどこにもいけないの。だけど無かったことになんてならないよ。ポップコーンはトウモロコシだもん。パパが鏡を通り抜けて来なかったのは、迷いたくないからだよね。うそ。わたしママに似てきた? 肩車して欲しかったけど駄目。本当にどうしてわたし、スカートなんて。静かなとこはないの? わたし噴水のとこで待ってるからパパはしばらく休んでね。今まで掴んで振り回したり、抱えて走り回ったりしてくれてありがとう。パパは遊園地みたいな想い出になったのよ。それじゃあ、ゆっくりと下して。バイバイ、パパ。
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公開:24/04/05 21:11
更新:24/04/06 18:00
プチコン5遊園地

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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