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少年が尋ねる。「シロ?」
白髪の老人「へ?」
少年「シロなんだね!」
老人「え?」
少年「そうだ、やっぱりシロだ。やっと見つけた。ほらっ、僕だよ。僕!忘れちゃったの?」
老人「なんです?」
少年「やっぱり忘れちゃったの?シロ!僕だよ、僕!太郎だよ。ほらっ。」
老人「ほら、と言われましてもね。私は君を知らない。なんのイタズラだね。老人をからかうのはよしなさい。」
少年「ママが言っていた通りだ。生まれ変わったら忘れちゃったんだね。可哀想なシロ。でも、これを見ればきっと思い出すよね。」と、おもむろに薄汚れたボールをポケットから取り出す少年。そしてそのボールを勢いよく投げる。少年「ほら、取ってこいシロ。」そう言われるやいなや老人は走り出していた。
SF
公開:24/04/03 18:14

ソフトサラダ( 埼玉 )

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時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、短いお話を書いています。コメントは励みになります。とりあえず過去作の改訂版を中心に新作も載せていきます。よろしくお願いします。 
 

 

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