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上京して最初に友だちになったのが彼だった。入学式で初めて話し、翌日に「僕の部屋へ来ないか」と彼は誘ってくれた。
古い木造アパートだった。
部屋の真ん中の床に黒電話だけがぽつんと置かれていた。
「荷物まだ届かないの?」と聞くと「荷物はリュックに入ってるものだけ」と彼は答えた。その時話したのは、黒電話のことだけだった。
しばらくして、僕の部屋にも黒電話が入った。彼の部屋に行って以来、無性に欲しくなり、彼に聞いた通りに手続きをした。せっかくなので、僕は彼と黒電話で話すようになった。スマホがあるし、彼と話す以外に黒電話の使い道はなかった。彼は時々話し中のこともあった。
いつの間にかクラスの大半が、黒電話を自分の部屋に入れていた。
彼はクラスメートを次々と彼の部屋に呼んでいたらしい。
7月になると、彼は大学へ来なくなり、姿を消した。行き先は誰も知らない。
古い木造アパートだった。
部屋の真ん中の床に黒電話だけがぽつんと置かれていた。
「荷物まだ届かないの?」と聞くと「荷物はリュックに入ってるものだけ」と彼は答えた。その時話したのは、黒電話のことだけだった。
しばらくして、僕の部屋にも黒電話が入った。彼の部屋に行って以来、無性に欲しくなり、彼に聞いた通りに手続きをした。せっかくなので、僕は彼と黒電話で話すようになった。スマホがあるし、彼と話す以外に黒電話の使い道はなかった。彼は時々話し中のこともあった。
いつの間にかクラスの大半が、黒電話を自分の部屋に入れていた。
彼はクラスメートを次々と彼の部屋に呼んでいたらしい。
7月になると、彼は大学へ来なくなり、姿を消した。行き先は誰も知らない。
ホラー
公開:24/04/02 21:43
更新:24/04/03 07:56
更新:24/04/03 07:56
2023年10月から参加しています。作品を読んでいただき、ありがとうございます。
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