きらめくフライパン

今日、遺跡から発掘された出土品を見て、私達は息を飲んだ。
これほどまでに状態がいい物、滅多にお目にかかれない。金で出来たそれは間違いなく王族、もしくは崇めていた神に使われていた装飾品だろう。
これは世紀の大発見だ！しかし…私達は正直、困っている。
だってこの出土品、どう見てもフライパンなのだ。金で出来たフライパン。
いやいや、そんなわけないと首を横に振る。もしこれがフライパンなら壁画に書かれた神様が持っているアレもフライパンだ。鏡ではなくフライパンだ。
だが熱に弱い金をフライパンにする意味が分からない。これはきっと何かの間違いだ。そうに違いない。
ではこれは一体何だろうと私達が頭を悩ませていると、新たな出土品が持ち込まれた。金で出来た泡立て器とボウルだ。
…こうなってしまってはもう間違いない。認めないわけにはいかない。
壁画に書かれていたものは、黄金のフライパンとホットケーキの作り方だ。