悲しいパフェ

0
3

ここは、刑務所のなかの喫茶店です。
塀の外から、小さな女の子がやってきました。
「悲しいパフェください」
悲しいパフェは、お父さんが昔、北極で働いていたときに、
食べていた、雪だけのパフェです。
チンとベルが鳴ると、雪が降り始めてお父さんがきました。
女の子はお父さんと雪の降る庭でパフェのグラスの中に、白い雪をあつめます。
白い悲しいパフェが完成すると、お父さんは消えました。
「悲しいパフェください」
女の子は、言いました。
チンとベルが鳴り、大雪が降って、お父さんがきました。
前がみえないほどの吹雪で、女の子は、首まで雪に埋もれました。
お父さんは女の子に「楽しいパフェ」を注文するように言いました。
楽しいパフェは、女の子のお母さんの友達がつくっているパフェに似ています。
その人は、お母さんと再婚する人です。
「楽しいパフェください」
お父さんは女の子の頭を撫でて、さよならを言いました。
ファンタジー
公開:24/03/30 12:53

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容