フリーネーム制

コロナ禍で出社する社員が減ってオフィスデスクのフリーアドレス制が普及した。一人ひとつの机で上長を頭に数人のシマを並べるレイアウトはもはや昭和。フリーアドレスでは各自が好きな場所で仕事する。しかしグループで集まったりして半固定席となりがち。これでは社員の流動性が損なわれると、ある企業では毎日の席をコンピュータでランダムに決めることにした。また別の某企業ではフリーネーム制を採用した。社員を日々新たな人格とし、毎朝コンピュータが決めた名前で仕事する。一人の社員がある日は小林で翌日は田中とかになる。また役職も日々変わる。社長以下、全社員がランダムな役職をその日は果たす。皆がスキルを高められるという。急に社長になった者は関係各社各界に就任挨拶メールを送る。部長も平社員も取引先に新任の連絡をする。メール発信だけで半日ほど作業するが、そのせいで業績は悪くならないそうである。良くもなっていないらしいが。