きらめくフライパン

海の中で燃え盛る炎に目を丸くする。
そんな私を見て、クスリと笑う彼女。牡蠣の貝殻で出来たフライパンで器用に調理を進める。
形のいい綺麗な貝殻だ。思わず見とれてしまう。
出来上がった料理を口にすると温かかった。まさか海の中で温かい食事にありつけるとは思わなかった。
料理を美味そうに食べる姿に彼女はヒレを左右に動かす。どうやら嬉しいようだ。
腹一杯になったところで改めて人魚の彼女にお礼を言う。
彼女が助けてくれなければ私は今頃海の藻屑となっていただろう。
彼女は私に興味津々のようだ。そりゃそうだ。星の海を泳ぐ、宇宙人魚を見るのは初めてだろう。
星の海に興味のある彼女。そうだな…お礼に連れてってあげよう。私も君に手料理を振る舞いたい。
私は彼女を星の海へと連れてきた。彼女は宇宙で燃え盛る太陽に目を丸くする。
そんな彼女を見て、クスリと笑った私は星殻で出来たフライパンをきらめかせ、調理を始めた。