お父さん遊園地
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あっちでは跳び箱になり、そっちでは肩車をして走り回る。こっちでは……
「空中ブランコですか?」
「うん!パパ早く!!」
この公園は、遊具が無くなり、今や子育てに奮闘するお父さんたちが遊具となっていた。
「もっともっと早く!」
「ちょっと休憩~」
息子の膨れる頬を後ろにベンチへ。
「お疲れ様です、休日の朝から」
「ええ、本当に。貴方もですか?」
隣に座る中年の男の子供を見る、寂しさが入り混じった懐かしむような細める瞳に、違う事を察した。
「私はね、仕事人間だった。子育ては大変だけれど、騒がしさがなくなった時、初めてそれがそれだけ寂しい事なのか、思い知った」
「そうですか」
「そうだとも、夕暮れの無音な屋上遊園地にいるようさ」
息子が駆け寄ると、彼は黙ってウインクを残して去っていった。
「もう少しだけお父さん遊園地頑張りますか」
お客さんが大きくなるその日まで。
「空中ブランコですか?」
「うん!パパ早く!!」
この公園は、遊具が無くなり、今や子育てに奮闘するお父さんたちが遊具となっていた。
「もっともっと早く!」
「ちょっと休憩~」
息子の膨れる頬を後ろにベンチへ。
「お疲れ様です、休日の朝から」
「ええ、本当に。貴方もですか?」
隣に座る中年の男の子供を見る、寂しさが入り混じった懐かしむような細める瞳に、違う事を察した。
「私はね、仕事人間だった。子育ては大変だけれど、騒がしさがなくなった時、初めてそれがそれだけ寂しい事なのか、思い知った」
「そうですか」
「そうだとも、夕暮れの無音な屋上遊園地にいるようさ」
息子が駆け寄ると、彼は黙ってウインクを残して去っていった。
「もう少しだけお父さん遊園地頑張りますか」
お客さんが大きくなるその日まで。
その他
公開:24/03/26 23:06
更新:24/04/07 00:54
更新:24/04/07 00:54
遊園地
ヒューマンドラマ
親子
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