春は遊園地

三寒四温。寒暖差の激しい気候はまさにジェットコースター。
それを越えると一陽来復。本格的に冬が終わり、春がやってくる。幸運の予感に新たな季節のゲートをくぐる。
だが油断すると春寒料峭。寒さがぶり返してくる。まだまだ油断の出来ないフリーフォール。
春風駘蕩を楽しむ。春日遅遅。遅くなった日の暮れに、長く感じられる１日をゆっくり楽しむ。アトラクションに乗らずとも眺めているだけで楽しくなる。
鶯の声に木々を見上げる。花の香りに花壇を見つめる。鳥語花香はメリーゴーランド。自身が木馬となって庭園をぐるりと一周。
背中の我が子も楽しそうに笑う。幸福感の高まりを感じる。
だがいつか、この子が巣立った時には春愁秋思を感じるのだろう。遊園地を出る時のものがなしさを感じるだろう。
「大丈夫よ」と励ましてくれる妻。春和景明なこの人に僕は惚れたんだ。
妻を中心に桃紅柳緑へと変わる。僕は今日という日も絶対に忘れない。