遊園地缶

私は閉園となった遊園地を缶詰にして売っている。
缶詰のサイズは珈琲缶と同じくらい。その手軽さゆえに引く手あまたの人気商品でもある。
商品はデパートの上にあった小規模遊園地から、かつてはその土地の目玉にもなった大型テーマパークまで取り揃えている。
そんなに大きなものが珈琲缶サイズの小さなものに入るわけがない？確かにそうだ。
でもこの缶は”置換する”缶なんだ。缶の蓋を開けるとそこから溢れた泡が広がり、その土地に遊園地を置換させるんだ。遊園置換ってわけさ。
楽しんだ後は缶の説明書きに従って遊園地を消して欲しい。そうしてくれたら、私の遊園地保管場に遊園地が戻ってくるからね。
で、この遊園地缶は説明書きをしっかり読まなきゃならない。
結構多いんだよ。広くもない土地に巨大遊園地を置換させて、周りの建物を潰してしまう人が…
だから遊園地缶を使う場合は土地の容量、土地の用法を確かめた上で楽しんで欲しい。